【子育ての悩み】「母乳育児」を諦めて「完全ミルク」にした理由、良かったこと3選&つらかった瞬間4選

ベビー

今回は、赤ちゃんを母乳で育てるか、ミルク(人工乳)で育てるか、についてのお話です。赤ちゃんを育てるママにとって、それは一大問題。一人目の子供ならなおさらです。

人工乳のみをあげる授乳方法である「完全ミルク」は、仕事で忙しい人や二人目以降の出産で時間に余裕がないママなどに適しているといわれることが多いですが、「完全ミルク」を選ぶマイナーな理由として、ママの気持ちや体力的な事情があります。

この事情に対して、罪悪感を抱いたり、不安を抱いたりするママが多いのではないでしょうか。著者自身がそうでした。

本記事では、気持ちや体力的な事情により「完全ミルク」を選んだ著者の経験を、母乳育児を諦めた、もしくは諦めようとしているけど不安に感じている方に向けて紹介します。

「完全ミルク(完ミ)」を選んだ3つの理由

妊娠後期に入る頃、産院で突然に授乳の希望をきかれました。選択肢は3つ、①母乳をあげる「完全母乳」、②人工乳をあげる「完全ミルク」、③母乳をあげつつ不足分を人工乳で補う「混合授乳」。

特にこだわりがなかったことから、私は「完全母乳」「完全ミルク」でもない「混合授乳」で育てることを希望として提示しました。

しかし、産後すぐ(退院日前日)、以下の3つの理由から母乳での授乳をやめて「完全ミルク」に変更するという決断をしました。

【理由1】もともと母乳育児へのこだわりが無かった

初乳の効果は認識していたため、初乳は絶対にあげたいと考えていましたが、母乳育児を重視していたわけではありませんでした。

幼い頃から、著者自身もミルクで育ったと聞いていたことも影響していたかもしれません。(ちなみに著者は大きな病気もなく、順調に育ちました。)

そのため、苦労したりつらい思いをしてまで、母乳育児をしようという思いはありませんでした。

【理由2】助産師のサポート不足によるマタニティブルー発症

産後すぐは、赤ちゃんもママも、おっぱいを飲む・あげるのが初めて同士。そのため、はじめはどうしても上手に授乳ができないものです。

それをサポートするのが助産師の役目なはずなのですが、私のいた産院では助産師のサポートが不十分でした。そのため、退院を目の前に、私はすっかり自信をなくしてしまいました。

おむつ替えやお風呂などのその他の必須のお世話事項をこなすだけで精一杯・・・。

1人では絶対にうまく授乳できない・・・!

まさに、マタニティブルーな状態に陥っていました。

【理由3】おっぱいトラブルへの恐怖

はじめは慣れなくて手こずる授乳ですが、母乳をあげているうちに赤ちゃんもママも上手に出来るようになるそうです。

一方で、おっぱいの出が良くなったり、赤ちゃんが上手に吸うことができるようになると、胸が張って痛くなったり、乳首が切れたり、ひいては乳腺炎という病気になることもあるといいます。

母乳育児の先に待つ「おっぱいトラブル」について、先輩ママやBLOG等で知り、わたしは恐怖を感じてしまいました。

加えて、妊娠中も体型が変化していくことに非常にストレスに感じていた私は、これ以上自分でコントロールが出来ないことが増える事が耐えられませんでした。

完全ミルクにしてよかったと思っていること 3選

【よかった①】家族と分担して授乳が可能

人工のミルクであれば、誰でも授乳が可能です。

家族と分担して授乳ができるので、産後すぐで体を動かすのがつらい時期、体調を崩してしまった時、忙しくて手が離せない時など、家族に授乳を頼むことが出来ます。

人工乳であっても、ミルクづくり~授乳~哺乳瓶の片付けまで一連の流れは、結構な時間を要します。

ひとりでやらなくて良い、自分の他にも任せられる人がいる、という状況は、精神的にも時間的にも余裕を生むことにつながります。余裕がうまれることで、より優しい気持ちで赤ちゃんに接することができるという良い影響が生まれると考えます。

【よかった②】場所を選ばずに授乳が可能

外出先で母乳をあげようと思うと、授乳室を探す必要があります。

しかし、必ずしも授乳室が設置されている施設ばかりではありません。設置されていたとしても、簡易的でとても安心して授乳ができないところもあります。

授乳室が無い場合は、人目を避けられる空間を探す・作り出す必要があります。

一方で人工乳の場合、レストランやカフェなどある程度スペースや座席などが確保された空間であれば、どこでもあげることが出来ます。

個人的には、人工乳でも授乳室などの落ち着いた空間で授乳できるのが、赤ちゃんもママも安心できるので好きです。しかし、必ずしも授乳室がある施設ばかりではないので、場所を選ばずにあげることができるのは、とても助かります。

【よかった③】授乳のタイミングを調整しやすい

母乳育児の場合、赤ちゃんの吸うペースやおっぱいの出具合によって、人工乳に比べ授乳頻度が短くなりがちです。

一方で、人工乳は用意した量を赤ちゃんが飲んでくれれば、赤ちゃんはおなかいっぱい飲めるので、授乳間隔が一定になりやすいという特徴があります。

授乳間隔が安定していると、外出などの予定も立てやすく助かります。

母乳育児をやめる決断をしたことで、つらく感じた瞬間 4選

【つらかった瞬間①】周囲との価値観のギャップに傷ついた

産後のメンタルはガラスのハートとよく言われますが、まさにその通り。授乳に関する周囲との価値観のギャップに何度も傷つきました。

産院では母乳育児をしたい!と強く希望するママが多く、彼女たちをみていると自分の決断は間違っていたのか・・・と何度も思わさせられました。

また、実母や親戚からの助言という名の無神経な言葉に傷つきました。

実母や親戚が子育てしていた時代は、母乳がでるのにあげないなんて間違っている・・・そういう考えが浸透している時代だったようです。母乳が出るなら「母乳育児」をするように、自分の子育てのエピソードを交えて説得しようとしてくるのです。

自分の子育てを肯定したい気持ちは分かります。ただ、それを全員にとっての「正解」として押しつけないで欲しかったと今では思います。

当時は気持ち的に追い詰められて、産後1~2ヶ月は授乳の話題がでるだけで涙が出てしまう程でした。

【つらかった瞬間②】母乳を止めるのに苦労した

妊娠中、病院から指導があったため、産後に母乳の出をよくするマッサージしていました。その効果か、出産後は順調に母乳が出るようになっていました。

母乳をあげないと決めた日から、母乳をとめるために胸を触ることを禁じられました。(触ると、どんどん母乳が作り出されてしまうそうです。)

胸が張って、ジンジンと痛む事も多く、保冷剤などで冷やして痛みを耐えました。母乳がとまるまでは毎日母乳パッドをつけて過ごしていました。結局、1~2ヶ月は注意して過ごすことになりました。

【つらかった瞬間③】SIDS(乳幼児突然死症候群)が心配で悩んだ

SIDS(乳幼児突然死症候群)をご存じでしょうか。何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気です。

国の公表するガイドラインには、発症のリスクを低くするための事項のひとつとして「なるべく母乳で育てること」が提示されています。(具体的な理由については記載はされていません。)

ガイドラインを読み、私が母乳をやめる決断をしたことで我が子を死亡リスクにさらしている…?と思い、自分の気持ち・体力を無視してでも母乳育児に戻すべきか相当悩みました。

そんな中、色々と情報収集をしているうちに、母乳育児のほうがリスクが低くなる理由について説いているYoutuberさんを見つけました。そのYoutuberさんによると、母乳育児をしているママは頻回授乳のために子どもの状況を確認する機会が多く、人工乳で育てている人に比べ上回っていることが要因だと説いている医学界の権威がいるそうです。

母乳育児のほうがリスクが低い要因については、完全には実証されていないために、国のガイドラインで理由の記述がなかったり、病院での指導が特になかったりするといった現在の状況になっているのでしょう。

それでも我が家では上記の説を踏まえ、母乳育児以外の方法で対策を打つことにしました。

【つらかった瞬間④】罪悪感を感じて落ち込むことがあった

産院を退院後、育児や家事を手伝ってくれる親や親戚はいませんでしたが、パパが長期で育休を取得し、全てのお世話を二人三脚でやっていました。

「完全ミルク」にしたことで、ママにしかできない仕事がなくなりました。それは、ママの負担が減ることになり良いことばかりなはずなのですが、「ママにしか出来るお仕事がない」=「ママとしてのお仕事を放棄している」ような罪悪感を感じて、時々落ち込んでしまうことがありました。

(↑絶対に間違った考えですが、メンタルがボロボロだと極端な考えに陥ってしまうことがあります。)

当時の自分・世の中に対して思うこと

当時の自分に対して思うこと

当時の自分に対して、いま声をかけるとしたらこんな言葉をかけてあげたいと思います。

「完全ミルク」にすることを不安に感じているママへ
「完全ミルク」にするという、あなたの決断は間違っていません。赤ちゃんは順調に育つので、安心してください。罪悪感を感じる必要はありません。
お母さんが幸せでいることで、赤ちゃんも幸せを感じることが出来ると、よく言われます。
ママ自身の幸せを
ないがしろせず、ママ自身が幸せを感じられる環境で、子どものために出来ることを最大限にやってあげることです。

ベビーに関わる業界人、ママの周りにいる身近な人たち、それからパパへ伝えたいこと

忙しくて授乳できない人等は「完全ミルク」にしても仕方ない、そんな世の中の風潮があります。

「仕方ない」ではなく、忙しさやママの気持ちや体力を考慮して「完全ミルク」を選択することも、「完全母乳」や「混合授乳」を選ぶのと同じように尊重する世の中になって欲しいと願います。

産後のお母さんのメンタルは、ガラスのメンタルといわれます。小さなことで、落ち込んだり悩んだり、大変です。

そんなママの状況を考慮した上で、メディアやメーカーにはお母さんの気持ちに寄り添った商品を企画・開発したり、あかちゃんのいるママの身近な人にはお母さんの気持ちに寄り添った優しい言葉をかけてあげてほしいと思います。ベビーのメディアやメーカー商品の文言ひとつにも心が不安定になるママがいることを忘れずにいてほしいです。

ママの周りにいる人たちには、ぜひママの気持ちに寄り添った言動を心掛けてほしいです。

それでも、親族や友人には無神経に心ない言葉をかけてくる人もいます。そんなときはパパの出番です。私の場合、周りにどんなことを言われようと、夫はどんな時も私の決断を尊重してくれ、味方でいてくれました。身近にひとりだけでも味方がいてくれることで、とても心強いものです。パパはママの絶対の味方になってあげてください。

私もいつか、赤ちゃんのいるママの身近な人になる日がくるでしょう。そのときに、私が当時感じた気持ちを忘れずに、ママの気持ちに寄り添えるような振る舞いをしたいと思います。

おわりに-ママと赤ちゃんにとってベストな選択を!

今回は、気持ちや体力的な事情により「完全ミルク」を選んだ著者の経験を、母乳育児を諦めた、もしくは諦めようとしているけど不安に感じている方に向けて紹介しました。

本記事で、「完全ミルク」を選んだけど不安に思っているママの背中を押せたら嬉しいです。

ママが楽しんで子育てできることがベストです。自分にとってベストな方法を選択しましょう!

どんな事情で完全ミルク」を選んでも、間違いではない

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